2011年01月15日

北八ヶ岳(北横岳、縞枯山)その3

今日は!今回は北八ヶ岳の最終回、縞枯山です。

北横岳から下山した後は、坪庭を更に時計周りに進み、雨池峠方面とロープウェイ山頂駅方面に分れる分岐点を、雨池峠方面へと向かいます。

暫く歩くと縞枯山荘が見えてきます。縞枯山を正面に臨む場所に立っていて、なかなか良い感じの山小屋です。

<縞枯山荘>
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縞枯山の「縞枯れ」とは、シラビソのような針葉樹林の一部だけが立ち枯れて、それが縞状に見えることからきています。ただ、残念ながら今の次期は山がすっぽり雪に覆われているので、それを見ることはできません。

<縞枯山>
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縞枯山荘の直ぐ脇に標識があるので、そこから登山道に入ります。

<登山道入口>
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この登山道は頂上までずっと樹林帯が続きます。樹々が雪の重みで垂れ下っているので、最初は道がえらく狭いです。ほとんど中腰になって進みます。前回の北横岳と違って勾配が結構あるので、キックステップだと結構きついです。

<登山道>
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ここで登山経験のない方に説明しておくと、キックステップというのは登山技術の一種で、雪の張り付いた斜面に靴の爪先を思い切り蹴り込んで無理やりステップを作り、そこに体重を預けながら登るという、かなり体育会系なやり方です。雪面が或る程度柔らかければ足の半分位に体重をかけられるのですが、今回の縞枯山のように雪が締っていると全体重を爪先にかけることになり、かなり疲れます。一度靴を蹴り込んだら最後、もう片方の靴を蹴り込むまでは絶対に足首の角度を変えてはいけません。さもないと足が滑って斜面を滑落することになります。足首を固定するのはふくらはぎの筋肉なので、長時間続けているとふくらはぎがぱんぱんになりますが、そこは気合と根性で頑張るしかありません。

<キックステップ>
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ストックを使えば体重を分散させられるのでかなり楽になりますが、今回はストック無しで登ることになっていたため足だけで全体重を支えながらバランスもとらなければならず、流石に疲れました。でもこれが冬山の基本なのです。キックステップができれば雪面がアイスバーンになっていない限り、アイゼンもピッケルも一切使わずにどのような山にでも登る事ができます。逆にそれができない内はどのような冬山にも登るべきではありません。たまにキックステップで登れる山であるにも関わらず、技術不足で滑って登れないのでアイゼンを着けて登るという人がいますが、そのような未熟な技術で冬山に登ることは殆ど自殺行為です。何故ならその人の山登りは100%その成否をアイゼンという道具に依存しているからです。

考えてもみて下さい。そのような未熟な登山者がアイゼンに頼って山頂に立てたとしても、下山直前にアイゼンの紐が切れたりしたらどうなると思いますか?もうその人は一発で寒風吹きすさぶ山頂で行動不能に陥るか、若しくは無理に下山しようとして斜面を滑落するかのどらかしかありませんよね。よくプロの登山家が最初からアイゼンを履いて山に登る姿を目にするかと思いますが、それは飽くまでもその方が効率が良いからなのであって、彼らは別にアイゼンなんかなくてもキックステップで登って下りることができるのです。ストックやピッケルにしても同じです。最初から道具に頼ってしまっては、いつまで経っても基本的な登山技術というのは身につけることができません。どんなに辛くとも、またどんなに見栄えが悪くとも、道具無しで登れるようになるまでは、なるべく道具を使わないようにした方が良いです。

さて、そうこうする内に縞枯山の山頂に到着です。但し展望は余りよくありません。

<縞枯山山頂>
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縞枯山から茶臼山に向かう途中に展望台があるのでそちらに向かいます。稜線は左右に遮るものが低い木立しかなく、風は冷たいですが歩いてて気分が良いです。

<茶臼山に向かう稜線>
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展望台からは麓の町を見下ろす事ができます。雄大な景色を眺めながらマイナス20℃近い強風の中で吸うタバコはまた格別でした。しかし余りの強風に顔面がフリーズドライになりそうだったので、早々に下山することにしました。

<展望台からの眺め>
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帰りはキックステップとグリセードでの下山になります。下りのキックステップでは登りとは逆に、踵を雪面に蹴り込んでステップを作りながら下ります。最初はやりにくいのですが、慣れるとタンタンタンと、鼻歌まじりにコサックダンスでも踊っているかのような軽快なリズムで下りる事ができます。

グリセードは足の裏で斜面を滑りながら下りる技術です。膝を曲げて爪先を谷側に向けて滑りますが、制動をかけたい場合には足の外側を谷に向け、内側のエッジを立てて行います。スキーの場合と同じですね。本来ピッケルの石突きで雪面を突いてバランスを取りながら下りますが、今回は足だけで下るので、かなりのバランス感覚が要求されます。膝関節と大腿四頭筋がサスペンションとなりますので、余りスピードを出し過ぎると脚が疲れますのでご注意を。

それなりの傾斜の斜面ではグリセードを使い、スピートがつきすぎる急な斜面ではキックステップを使って確実を期すなど、二つを上手く組み合わせれば相当なスピードで下りる事ができます。しかし困ったことに、僕の靴(ヤリジャパン)は性能が良すぎて、縞枯山程度の斜面ではなかなか滑らないんですよ。勢いをつけてもせいぜい1メートル位しか滑りません。殆どスタッドレスタイヤを履いているようなものです。そのため殆どキックステップで下りることになりましたが、今回のような積雪状況だと、上りよりも下りの方がやり易かったです。下りの方が上りよりも体重がかかりやすいので、少し締まり気味の雪面の方が、足がずぼっと潜らないので楽なのです。

と言う訳で、今年初の登山は何事もなく無事に終了しました。アイゼン、ストック、ピッケル、スノーシュー、水、食料、休憩全て無しのダブルヘッダーでしたが案外楽でした。北八ツは冬山の慣らし運転には丁度良いと思います。

ちなみに、上記の装備は「無し」と言っても本当に持って行かない訳ではなく、ザックの中には全て入ってますので誤解の無いように。意識して使わないというだけのことです。

また、今回の山行では3リットルのプラティパスを専用保温ケースに入れて持って行ったのですが、マイナス17℃でも水は凍りませんでした。これは厳冬期であっても日帰りであれば、雪を解かさなくても水を確保できるということを意味します。恐るべし、専用保温ケース。

蛇足ですが今回はインナーとしてリーボックのトレーニングウェアを着て行きましたがこれが実に快適でした。フリースのように嵩張らず、しかも二重構造になっているので保温性もバッチリで、汗をかいてもすぐに乾きます。アウターを脱いでもフリースに比べれば耐風性もあるので体温低下を防ぐことができます。レイヤリングは今後も研究し続ける価値がありそうです。

次回はまだどこに行くか決めていませんが夏靴なので多分余り雪深くないところになると思います。

<目的地>
北横岳、縞枯山
<ルート>
坪庭経由
<標高差>
240メートル
<歩行距離>
約6km
<日程>
1/10(月)
<タイムチャート>
10:40 ロープウェイ山頂駅
10:55 北横岳分岐
11:30 北横岳ヒュッテ
11:55 北横岳南峰
12:05 北横岳北峰
12:50 縞枯山荘
13:35 縞枯山山頂
13:50 展望台
14:40 ロープウェイ山頂駅
<コースタイム>
4時間00分
<歩行時間>
4時間00分
<休息時間>
0時間00分(写真、タバコ除く)

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2011年01月12日

北八ヶ岳(北横岳、縞枯山)その2

今日は!北八ヶ岳の2回目です。


2日目の朝は7時半に起床し、諏訪湖SAの中にあるパン屋さんでパンを買って食事をしてから、ロープウェイのあるピラタス蓼科スノーリゾートに向かいました。岡谷ICで高速を降りてから諏訪に戻り、ビーナスラインで蓼科に向かったのですが、思いのほか時間がかかり、目的地に着いたのは結局10時過ぎでした。


ピラタス蓼科スノーリゾートのホームページでゲットした割引券を使い、ロープウェイの往復チケットを1割引の1620円で購入し、10時30分のロープウェイで山頂駅へと向かいました。

自称体育会系の身としては、ロープウェイなど使わず山麓から登るべきなのでしょうが、前言撤回です。やっぱ楽できるところは楽しないとね。るん♪


ロープウェイはもっぱらスキー客用のものなので、スキーやスノボを持った大勢のグループやカップルに混じり、たった一人登山姿でいると、自分が物凄く硬派な男になったような気がします。


というわけで、ロープウェイは僅か7分で標高1771mの山麓駅から標高2240mの山頂駅に到着しました。山頂駅のすぐ前は「坪庭」と呼ばれる外周約1キロの散策路になっていて、夏は高山植物を見る事ができるそうです。自分は全く興味ありませんが。


<坪庭>
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山頂駅での気温は午前10時40分でマイナス17℃。なかなか良い感じに冷えてます。気合を入れて最初のターゲットである北横岳に向けて出発です。


坪庭を時計周りに15分程歩き、第一休憩所、第ニ休憩所を過ぎると北横岳方面への分岐に出ます。その後緩やかな樹林帯を暫く登ると北横岳ヒュッテに到着します。


<北横岳ヒュッテ>
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大部分の人はヒュッテまでスノーシューで登り、そこから頂上まではアイゼンに履き替えているようでしたが、僕はつぼ足なのでそのまま素通りです。今回の山行では何人もの登山者に出会いましたが、つぼ足なのは最初から最後まで自分一人だけでした。でもアイゼンはともかくとして、登山道を歩くだけなのであれば、スノーシューはこの時期の北八ツでは邪魔なだけだと思います。


ヒュッテから北横岳の山頂まではあっと言う間に着きます。北横岳は北峰と南峰の二峰から成っていて、ヒュッテから登ると先ずは南峰に到着します。


<北横岳南峰>
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南峰の直ぐ隣にある北峰が北横岳の山頂で、標高は2480mです。当然ここは煙草を吸いながら記念撮影です。


<北横岳北峰>
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家に帰ってから気がついたのですが、右側の写真をよーく見て下さい。何か見えませんか?僕にはゾンビみたいな4匹の生き物が手を前に出しながら左から右に走っていて、それを右端に立っている、人間のような形をした2匹の生き物が棒を持って待ち構えている様に見えるのですが、特に左端のゾンビには目も口もあって、かなりリアルじゃありませんか?何か気味悪いんですよね、この写真。


北横岳の山頂に立った頃は抜けるような青空で、空に向かって伸びる稜線は正しく「天空の回廊」といった感じです。じっと見てると何だか吸い込まれそうになってきます。


<天空の回廊>
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さて、またもや時間がなくなってきたので今日の所はこの辺にしまして、次回は縞枯山をお伝えしたいと思います。

ラベル:八ヶ岳 北横岳
posted by Kiyonyan at 23:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 登山 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月11日

北八ヶ岳(北横岳、縞枯山)その1

新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します!


年末年始は新穂高温泉に泊まり、朴の木平スキー場で子供とスキーをしながら過ごしました。本当は穂高に登ろうと思っていたのですが、天候が余り良くなく、靴も夏靴しか持っていないので、登れば凍傷で足の指が12本は無くなりそうでしたので止めときました。


その代わりと言ってはなんですが、夏靴でも気軽に登れる冬山と言う事で、北八ヶ岳の北横岳と縞枯山(しまがれやま)に登ってきましたのでご報告したいと思います。もっと厳しい山はお金を貯めて冬靴を買ってからにしときます。あとシュラフとヤッケとかんじきとザイルとハーネスとカラビナと12本爪アイゼンとスノーシューとダウンジャケットとダウンパンツとストーブとサングラスとソフトシェルも買わないといけないんですけどね。


さて、今回は北八ツなので冬山と言っても所詮はハイキングであり、自称体育会系の私としましては、少しでもハードな山行になるような課題を考えました。学生時代は究極のインドア派でしたので体育会系がどのようなものかよく分かりませんが、大学山岳部員になったつもりで先輩と後輩(自分)の会話をシミュレートし、山行の課題を抽出してみました。



先輩 「貴様ぁ、今回の北八ツはどうするつもりだ!よもやただ登って下りるだけではあるまいな!」


自分 「はっ、勿論であります!アイゼンもスノーシューもストックも使わずにキックステップのみで登るつもりであります!」


先輩 「そうかぁぁ!しかしそれだけでは少し山のできる奴なら簡単ではないか。貴様ぁ、まさかそれで終わりではあるまいな!」


自分 「はっ、失礼致しました!水も食料も休憩も無しで登るつもりでありました!」


先輩 「貴様ぁ、やるではないか!しかし貴様のことだ。まだ他にも隠してることがあるだろう!」


先輩 「はっ、失念しておりました!北横岳だけではなく、同じ条件で縞枯山も登るつもりでありました!押忍!」



・・・という訳で、今回の山行は、


ストック無し


アイゼン無し


スノーシュー無し


水無し


食料無し


休憩無し


と言う事になりました。良い子の皆さんは真似しないで下さいね。


前日の晩は自作の断熱シートのテストも兼ね、諏訪湖SAで車中泊。北八ツだと本当は手前の原PAに止まり諏訪ICで下りるのが一番近いのですが、SAの方が何かと便利なので諏訪湖SAにしました。


SA到着時の気温は深夜0時半の時点でマイナス5℃。寒がりの身としては本当にこんなところで寝られるのか甚だ不安でしたが、とにかく断熱シートを張ってみることにしました。ところがこれが思いのほか時間がかかり、結局寝床を作るのに2時間半もかかってしまいました(泣)。

また、今回のテストでは自作の断熱シートだけではなく、先日或る登山用品店で買った、「アルミ毛布」の効果も試してみることにしました。これは何でもあの「NASA」が開発した素材を使っているそうで、パッケージに


「-10℃でも23度の温かさ」


と書いてあったので思わず買ってしまったものです。これをグランドシート代わりにマットの下に敷き、地面からの冷気を遮断してみることにしました。


翌朝は6時に起床する予定だったのですが、寝たのが結局3時過ぎになってしまったため寝坊してしまい、7時半頃にようやく目が覚めました。


断熱シートは確かに室温が下るペースが何も無い状態に比べれば遅くなるのですが、最終的には外気温と同じになりました。ただ、車のエンジンをかけて暖房を入れると、通常の3倍位のペースで室温が上昇しましたので、暖房効率は明らかに良くなるみたいです。

NASAの方はと言いますと、「−5℃なら−5℃の寒さ」と言ったところでしょうか。効果があったのかよく分かりませんでした。多分この商品は中に包まって使うものなのでしょう。断熱材としては使えないようです。


さて、肝心の山の話を全くしておりませんが、時間が来てしまいましたので今日のところはこの辺で。


<諏訪湖SAからの眺め>
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posted by Kiyonyan at 23:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 登山 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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