2011年10月16日

甲武信ヶ岳(徳ちゃん新道)

今日は。今回は8月の終わりに挑戦したものの雨のため敗退した甲武信ヶ岳にリベンジして来ましたのでご報告です。

10月の三連休最終日の朝4時半に自宅を出発し、6時半に西沢渓谷の駐車場に到着。自宅を出てから僅か2時間で着けるという近さは実に魅力的です。前回は「道の駅みとみ」に車を止めたのですが、今回は西沢渓谷の駐車場にしました。こちらの方が登山口までの距離は多少短くなりますが、生憎トイレがありません。自分は前の晩にビールを飲みすぎたせいか到着直後にお腹を下し、駐車場から国道沿いにあるトイレまで2往復もする羽目になりました。お陰で出発する前から既にヘロヘロでした。

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今回はリベンジというこで、前回と同じ徳ちゃん新道から山に入ります。前回は4ヶ月振りの山行ということもあり体力的にはかなりきつかったのですが、2週間前に25kg担いで燕岳に登ったお陰か、今回は脚が非常に軽いです。

今回の山行では脚力の調整の他に、もう一つ目的がありました。それは先日購入したパナソニックのデジカメ、LUMIX FT3を試してみることです。この機種は防水・防塵・耐衝撃・耐低温性能を備え、更には高度計・気圧計・方位計・水深計まで備えている優れものです。以前使っていたオリンパスのカメラは、気温が低いと電池が消耗して動作しなくなることが多くて往生していたのですが、今回思い切って買い換えました。これで冬でも安心して写真を撮ることができる筈です。

近丸新道と徳ちゃん新道の合流点を通り過ぎ、2350のザレ場に到着。前回は暴風雨で何も見えませんでしたが、今回は富士山がばっちり見えます。あの雲の向こうにまさかこんなに素晴らしい景色が隠れていたとは想像もつきませんでした。

<前回の眺め>
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<今回の眺め>
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ザレ場から20分ほどで2469mの三等三角点、木賊山山頂に着きます。でも眺望は全く無いので素通りです。

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木賊山からは下りになり、ザレた斜面に出るとついに甲武信ヶ岳とご対面です。写真では何度も見ている姿ですが、実物を目の当たりにすると思わず、

うぉぉぉ!何だこのモヒカン頭の山はぁぁぁ!

と叫んでしまいそうになります。

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ザレ場を下りて樹林帯を抜けると甲武信小屋の前に出ます。昔ながらの山小屋の雰囲気を色濃く残す、山好きの間では「超」がつく位有名な山小屋です。機会があれば是非一度泊まってみたいものです。ちなみに徳ちゃん新道の「徳ちゃん」は、この山小屋のご主人の名前だそうです。ありがとう、徳ちゃん!

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甲武信小屋を過ぎると甲武信ヶ岳山頂は目と鼻の先です。流石に日本百名山だけあって凄い賑わいでした。

甲武信ヶ岳は山梨側からだと破風山などに隠れて全く見えないのですが、登ってみると何故に深田久弥氏がこの地味な山を百名山に選んだのかよく分かります。この頂からは以前登った金峰山や富士山などが一望できるだけでなく、自分があたかもそれらの高峰を繋ぎながら延々と連なる山嶺に取り込まれたかのような錯覚を覚えます。富士山のように周囲から飛び抜けて高い山に登った際には周りからは隔絶した世界にいるような気がするものですが、この山の場合には自然との一体感を得ることができます。深田氏はこの山をして「奥秩父のヘソ」と呼んでいますが、真に正鵠を得た表現だと思います。

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山頂からの景色を十分に堪能した後は、カレーヌードルで昼食となりましたが、甲武信ヶ岳は百名山だけあって山登りの初心者が実に多く、写真を撮ることに気を取られて人のザックを蹴っ飛ばしたりするのでおちおち安心してもいられません。

食べ終わると同時に後片付けを済まし下山開始です。時間的にはかなり余裕があったので、景色や山の雰囲気を楽しみながらゆっくりと下りて行きました。

近丸新道での下山も考えたのですが、地形図で見る限り結構急な感じなので結局徳ちゃん新道でピストンとなりました。今度は近丸で登って雁坂峠から降りるルートも試してみようかと思います。

それではまた。

<目的地>
甲武信ヶ岳

<ルート>
徳ちゃん新道

<標高差>
1,375メートル

<歩行距離>
約14.2km

<日程>
10/10(月)

<タイムチャート>
7:00 徳ちゃん新道入口
8:30 近丸新道合流点
9:50 ザレ場 10:00
10:20 木賊山山頂
10:30 甲武信小屋
10:50 甲武信ヶ岳山頂 12:00
12:40 ザレ場 13:00
13:50 近丸新道合流点 14:10
15:30 徳ちゃん新道入口

<コースタイム>
8時間30分

<歩行時間>
6時間30分(上り3時間40分、下り2時間50分)

<休息時間>
2時間

posted by Kiyonyan at 20:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 登山 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月02日

燕岳(合戦尾根〜東沢乗越)その二

今日は。今回は燕岳登山の続きです。

北アルプスのアーベントグリューエンを眺めながら淹れ立てのコーヒーを満喫した後は、特にやることもないので山小屋に戻り、小屋の中を少し探検してみました。この小屋は本当に凄い山小屋で、小屋と言うよりはホテルと言った方が当たってる気がします。先ず何と言っても驚いたのが、トイレが建物の中にあるということです。

普通、山小屋というと、トイレは建物の外にあり、蛾やら蛆虫やらの群がる汚い掘立小屋のボットン便所と相場が決まっているのですが、ここでは清潔な山小屋の建物の中にあり、水洗で洋式の便座まで兼ね備えています。しかも紙まで付いてるんです!

真っ暗で汚い便所の中で、ヘッドランプの明かりに群がる蛾やら蛆虫やらと格闘しながら、便槽に落っこちないように用を足し、たまに紙を忘れて途方に暮れたりするのが山での楽しみ方の一つだと思いますが、これでは山に来た喜びが半減してしまいます。燕山荘には是非この綺麗なトイレを撤廃し、昔ながらの蛾やら蛆虫やらの群がる汚いボットン式の便所に切り替えることをお願いしたいです。勿論紙なんて要りません。山に来たら山でしかできないことをやる。その方がお客さんも喜んでくれる筈です。

さて、自分の部屋は二段ベットの上段です。25キロの荷物が入った90リットルザックを背負ってるにも関わらず上段にされたのには参りました。上段は下段と違い、荷物を置くスペースが無いので頭上に据え付けられた棚に荷物を上げなければならず、疲れ果てた身にはほんと堪えました。しかも棚が小さいのでザックが半分しか入りきらず、いつ上から25キロが落ちてくるかと冷や冷やものでした。

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同室になった人によれば、食事は夕食が交代制で、朝食が早い者勝ちのようです。食事の内容は高いだけあってかなり充実してるみたいです。まあ、素泊まりの自分には全く関係ありませんが・・・。

ちなみに気になる料金はと言うと、一泊二食で何と9,500円!ちょっとしたビジネスホテル並みの料金です。自分は素泊まりでしたので布団を借りて寝ただけなのですが、それでも6,000円取られました。テント場が空いていれば500円で済んだのにと思うと、バスに乗り遅れたことが殊更口惜しく思えてきます。

消灯は夜8時ということでしたが、非常に疲れてたので7時には早々と布団に潜り込みました。しかし昼間の疲れからか身体中が火照ってなかなか眠れません。しかも隣の小父さんの鼾の煩いこと。寝る前に念のため睡眠導入剤を飲んでおいたのですが、結局10時過ぎまでまんじりともできずにいました。

朝は4時半に起床し、槍のモルゲンロートを見ようと外に出たところ、余りの人の多さにびっくり。高度2700メートルの山上に、何でこんなにも沢山の人がいるのでしょうか。結局山よりもそっちの方が面白くて、人の写真ばかり撮ってました。

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それにしても「雲海」とはよく言ったもので、宙と地の間に広がる雲の絨毯から、富士山や南アルプスの山々がひょこっと顔を出している様は、正しく海に浮かぶ島のようでした。

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太陽が昇るに連れて空の色が波長の長い赤から黄色、青へと変化していく様は見ていて飽きません。特に日の出の直前に雲海の水平線間際から拡散する黄色い光りは見事というより他ありません。普段はこんな早い時間に起きることはないですし、起きたとしても周りをビルに囲まれていて太陽なんて見えないので、尚更綺麗に思えてきます。ただ、惜しむらくはこの景色を自分以外の人も沢山見ているということでしょうか。これが冬山ならこの神秘的な美しさを自分一人で独占できるのですから、早く冬山に入りたくなってきます。

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朝食は自炊場でピラフとコーヒー。気温は5度位でしたが水道は凍っていました。

二日目の行程をどうするかで散々思い悩んだのですが、体力的に見て、現時点でのテント泊縦走は無謀だと思われることと、本来なら一日目の幕営先は燕岳ではなく隣の大天井岳でなければならず、燕からだと二日目の行程が10時間を超えてしまい、暗くなるまでに槍ヶ岳山荘に辿り着く自信が無かったので、急遽予定を変更し、北燕岳から東沢乗越経由で中房温泉に下山することにしました。朝は結構調子が良かったので槍に向かおうかとも思ったのですがやめておいて正解でした。その後自分は地獄を見ることになります。

さて、朝は7時半に山小屋を出発。意気揚々と燕岳を目指します。前回11月に来たときには雪に埋もれて見えなかった梯子なども使えて、あっと言う間に頂上に到着です。流石に二回目の登頂だと感動はそれほどでもありませんが、これから登る北燕岳を眺めながら一服しました。


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燕岳から北燕岳は目と鼻の先で、歩いて15分位です。頂上直下にザックをデポして空身で登ります。反対側を振り返り、燕岳と槍を眺めながら再度一服しました。

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稜線伝いに餓鬼岳方面へと向かい、暫く経つと道は殆どUターンに近い形で南側に曲り、そこから東沢乗越までは急激な下りとなります。ここまでは自分も頗る快調で昨日の疲れは微塵も見えず、こんなことなら槍に向かえば良かったかな、と思っていたのですが、下りに入った途端に脚の状態はみるみる悪化し、東沢乗越に着く頃には脚の状態はかなり悪化してました。

やはり一晩寝ただけでは筋肉の疲労は取れず、大ホラ沢出合と北燕沢出合で大休止。それでも脚の状態は全く良くなりませんでした。しかも東沢登山道は渡渉あり高巻道ありで尚更脚に堪えます。大腿四頭筋は両脚とも完全に死滅し、奥馬羅尾沢出合で小休止の後立ち上がろうとしたら、ザックが持ち上がらずそのまま前に倒れて右手を負傷。更に後から下りてくる人を先に行かそうと少しスピードを上げたら、カーブで遠心力を支えきれず崖下に転落。川を渡る丸木橋ではバランスを崩し、もう少しで死ぬところでした。しかも漸く中房川の河原に辿り着いたと思ったらそこからまたダメ押しの高巻道。本気でツェルトビバークを考えました。それでも何とか半死半生の状態のまま中房温泉に辿り着き、14時15分発のバスに乗ろうと最後の気力を振り絞ってバス停へと急いだのですが、すんでのところでバスは無情にも目の前を通り過ぎて行きました。途方に暮れたままバス停でしゃがみ込んで待っていると、幸いにも15時頃に臨時増発便が出たので、それに乗って駐車場へと戻りました。

この通り、今回の山行では実に散々な目に遭いましたが、その分学ぶ所も多かったです。次回は下調べを良く行った上で睡眠を十分にとり、早立ちを心がけると共に、普段からテント泊を意識したトレーニングを行っていきたいと思います。

まあ口だけですけどね。

それではまた次回お会い致しましょう!

<目的地>
燕岳、北燕岳

<ルート>
合戦尾根〜東沢登山道

<標高差>
1,300メートル

<歩行距離>
約11.4km

<日程>
9/23(金)〜9/24(土)

<タイムチャート(9/23)>
9:00 中房温泉
9:50 第一ベンチ
11:20 第二ベンチ
12:20 富士見ベンチ
13:00 合戦小屋
13:30 合戦沢の頭
15:00 燕山荘

<タイムチャート(9/24)>
7:30 燕山荘
7:50 燕岳山頂
8:10 北燕岳山頂
9:00 稜線下り口
10:10 東沢乗越
11:10 大ホラ沢出合
12:00 北燕沢出合
12:50 ブナ平
13:30 中房川
14:15 中房温泉

<コースタイム>
12時間45分(登り6時間、下り6時間45分)

<歩行時間>
12時間45分

<休息時間>
記録なし

タグ:燕岳
posted by Kiyonyan at 10:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 登山 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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